この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
陽炎ーもうひとつの物語ー
第5章 赤猫
女はまだそのままの格好でいる。
俺は覆面の中身が気になったが、ふと、黙ってたらいつまでそうしてンだろう、と思い、その場に座り、煙管をふかした。
が、女はいつまで経っても動かねぇ。
いい加減痺れが切れ、
「いつまでンな格好してやがる」
と言ったら、女は我に返ったように、着物の合わせをかき寄せた。
「そっちじゃねぇよ。
んなガラ骨みてぇな身体隠してどうしようってんだ。
覆面くらい取れって言ったんだよ。」
そう言うと、覆面に手を掛け、一気に引き剥がす。
覆面の下は、火傷の痕が残る顔だった。
「なかなかのツラ構えじゃねえか。」
俺は覆面の中身が気になったが、ふと、黙ってたらいつまでそうしてンだろう、と思い、その場に座り、煙管をふかした。
が、女はいつまで経っても動かねぇ。
いい加減痺れが切れ、
「いつまでンな格好してやがる」
と言ったら、女は我に返ったように、着物の合わせをかき寄せた。
「そっちじゃねぇよ。
んなガラ骨みてぇな身体隠してどうしようってんだ。
覆面くらい取れって言ったんだよ。」
そう言うと、覆面に手を掛け、一気に引き剥がす。
覆面の下は、火傷の痕が残る顔だった。
「なかなかのツラ構えじゃねえか。」