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陽炎ーもうひとつの物語ー
第6章 決意
赤猫を拾ったのも。
欲のままに抱き続けて孕ませたのも。
挙句子を諦めさせてでも一緒に居たいと思ったのも。
全部、俺の勝手な我儘だ。
あの日、赤猫の顔を見た時に。
初めて赤猫が俺に発した言葉は、
「怖くないのか?」だった。
その時、あぁ、この娘は、この顔のせいで人から避けられ、中身を見てもらう事なく生きてきたんだと。
だったら俺くらい、中身を見て、女として扱ってやろうと、そう思った。
俺の言葉に涙を流して悦び、
身体を預け、そんな初心さになんて可愛いんだろうと、心惹かれた。
女の幸せを、味あわせてやりたかったのに。
盗賊なんて商売じゃ、子を産ませてやることも出来ねぇ。
赤猫とは離れたくない。
赤猫をもう抱かない、という選択はちと辛い。
それに、溜まる欲を放つのにまた廓通いを始めたら、きっと赤猫は俺が自分に飽きたと、捨てられたと感じるだろう。それは、避けたい。
赤猫が泣く顔は見たくなかった。
と、したら。
てめぇの勝手で拾った、八尋、鷺、兵衛。仲間を裏切って足を洗い、赤猫と暮らすか。
このまま何も無かった事にして、今まで通りの暮らしを続け、子が出来る度に降ろさせて、赤猫の身体を蝕んで行くか。
二つに一つだった。
欲のままに抱き続けて孕ませたのも。
挙句子を諦めさせてでも一緒に居たいと思ったのも。
全部、俺の勝手な我儘だ。
あの日、赤猫の顔を見た時に。
初めて赤猫が俺に発した言葉は、
「怖くないのか?」だった。
その時、あぁ、この娘は、この顔のせいで人から避けられ、中身を見てもらう事なく生きてきたんだと。
だったら俺くらい、中身を見て、女として扱ってやろうと、そう思った。
俺の言葉に涙を流して悦び、
身体を預け、そんな初心さになんて可愛いんだろうと、心惹かれた。
女の幸せを、味あわせてやりたかったのに。
盗賊なんて商売じゃ、子を産ませてやることも出来ねぇ。
赤猫とは離れたくない。
赤猫をもう抱かない、という選択はちと辛い。
それに、溜まる欲を放つのにまた廓通いを始めたら、きっと赤猫は俺が自分に飽きたと、捨てられたと感じるだろう。それは、避けたい。
赤猫が泣く顔は見たくなかった。
と、したら。
てめぇの勝手で拾った、八尋、鷺、兵衛。仲間を裏切って足を洗い、赤猫と暮らすか。
このまま何も無かった事にして、今まで通りの暮らしを続け、子が出来る度に降ろさせて、赤猫の身体を蝕んで行くか。
二つに一つだった。