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陽炎ーもうひとつの物語ー
第6章 決意
廓を出てからも、桜の『生命の遣り取り』という言葉が頭を離れなかった。

簡単に降ろせなんて言ってしまった事を今更ながら後悔する。

赤猫も、中条流とやらで、その怪しげな、金だかの薬を飲まされたんだろうか?

それで赤猫が死んじまったりしたら、俺は悔やんでも悔やみ切れねぇ。

頼むから、無事でいてくれ…

子を作らずに抱く、決定的な術がない以上、この先も、子が出来る度に赤猫の身を危険に晒すことになる。

俺が、今の立場に固執する間は…

仲間になんとなじられても、足を洗うしかねぇ。
そう思った。

足を洗ったところで、俺に何が出来るのか、赤猫と子を養って行けるだけの活計を得られんのか。
そんな事はわからねぇ。

けど、今のままじゃ駄目だ。

仲間を裏切って恨まれ憎まれたとしても、奴らはすぐ死ぬ訳じゃねぇ。

ならば。

俺は赤猫を選ぶ。

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