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陽炎ーもうひとつの物語ー
第3章 三人
八尋を拾って、二年が過ぎた。
八尋は長いこと地下牢に押し込められてたせいで、身体のあちこちが鈍っちゃいたが、毎日滋養のあるもん食わせてたら段々元気になってきた。
俺が夜盗をしていると知ると、自分も手伝うと言い出し、勝手に俺の事を頭領と呼び出した。
二人しかいねぇのに、頭領なんて小っ恥ずかしい、名前で呼べと何度も言ったが変えなかった。
八尋がなかなか頑固だって事も分かってきた。
元気になった八尋は身軽で。
ことに手裏剣を使わせるとその命中率は驚くほどだった。
聞けば旅芸人の一座に生まれ、十二の歳まで軽業師として生きていたと、戸板の前に人を立たせ、何本もの小刀を刺さらねぇように、投げる芸もしていたということだった。
なるほどなぁ。
人には意外な特技があるもんだ、と思った。
そんなある日。
俺はまた町で一人の餓鬼を拾う。
八尋は長いこと地下牢に押し込められてたせいで、身体のあちこちが鈍っちゃいたが、毎日滋養のあるもん食わせてたら段々元気になってきた。
俺が夜盗をしていると知ると、自分も手伝うと言い出し、勝手に俺の事を頭領と呼び出した。
二人しかいねぇのに、頭領なんて小っ恥ずかしい、名前で呼べと何度も言ったが変えなかった。
八尋がなかなか頑固だって事も分かってきた。
元気になった八尋は身軽で。
ことに手裏剣を使わせるとその命中率は驚くほどだった。
聞けば旅芸人の一座に生まれ、十二の歳まで軽業師として生きていたと、戸板の前に人を立たせ、何本もの小刀を刺さらねぇように、投げる芸もしていたということだった。
なるほどなぁ。
人には意外な特技があるもんだ、と思った。
そんなある日。
俺はまた町で一人の餓鬼を拾う。