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Short Cake〜官能短編集〜
第2章 モンブラン
「息子さん達本当に優秀で、羨ましい限りですわ。」
「本当ですよ。私の息子なんて女性にうつつを抜かして学業にも身が入らないようで…」
「それに比べてねえ。
社長の血が流れているんですもの、
優秀で当たり前よ。素晴らしいわ。」
新しいドレスを身に纏い、美しく着飾っても
お客様はいつもお兄様の事しか話さない。
それは私が養女であることが知られているから。
わかっていても回数を重ねるごとに笑顔でその場に居座るのは辛く、ストレスになる。
これを口にすれば食事の場に呼ばれる事も、家族が優しく私を受け入れてくれることもなくなってしまうだろうから。
この屋敷にいる限りは耐えなければならない。
お兄様2人はよく礼儀正しくお客様に対応できるな…
私に話を振られる事なんて一生ないだろうし、毎回お食事会に参加する必要はあるのかとすら思う。
大人達のお酒が回って巻き込まれる前に部屋に戻ろうと、後ろに立つリズに目を合わせる。
リズは黙って頷くと椅子を引いてくれた。
「お父様、お母様、
私は少しやらなければならない事がありますのでこれで失礼しますね。
今日もとても美味しかったわ。
まだ楽しんでいって下さいね。」
お客様の方に一礼すると、
リズとともに席を後にする。
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