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Short Cake〜官能短編集〜
第1章 チョコブラウニー
放課後になると、わくわくしながら準備室に向かう。
「沢口先生!加藤です!」
「おお、きたか。
ってお前手ぶらで来たの?」
「…え?」
「ほ・しゅ・うだよ補習!
お前このままじゃ本気で単位あげらんないって前から言ってるよな?」
先生は眉間にしわを寄せながらカチャッとメガネを押し上げる。
「はっはい…取ってきます!」
先生と二人きりで補習…。
これはもう勉強どころじゃないな!
ウキウキしながら化学の教科書とノートを持って先生の元に向かうと。
「お、加藤きたか。今コーヒー入ったから。」
「わあ!ありがとうございます♪」
先生との補習は初めてじゃない。
実はこれで5回目くらい。
いつも私にコーヒーを入れてくれる。
今ではもう私が好む砂糖とミルクの量も覚えてくれたみたいで、
何もしなくても私好みのコーヒーになっている。
「先生いつもありがとう!
先生のコーヒー大好き!!」
「おーそれはよかったな。
コーヒーだけじゃなくて化学も好きになってくれよー。」
先生にはどんなアピールも軽くかわされてしまう。
大好きなんて言ってもスルーされるし、
手作りクッキーだってただの補習のお礼としか思われてない。
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