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Short Cake〜官能短編集〜
第2章 モンブラン
「…シェリーさま……大丈夫ですか?」
リズが部屋に入ってくるなり私に駆け寄り心配そうな表情を見せる。
「ごめんなさい、聞かれてしまった…?」
「…すみません。
心配になったもので…」
「いいのよ…
…私はお風呂に入るわ…」
疲れ気味に笑うと、立ち上がってお風呂に向かう。
「かしこまりました、
着替え等準備してまいります。」
「……はあ…」
胸元の大きな跡を見ながらため息をつく。
ディランお兄様にはこれを何としても隠し通さなければならない。
彼のセドリックお兄様への嫉妬はかなり強い。
両親や会社全体のプレッシャーを背負い期待に答えてきたセドリックお兄様は、ディランお兄様にとっても憧れの対象であり、
将来は彼の元で働くことがわかっているのだから尚更嫉妬も強くなるのだろう。
もしセドリックお兄様にも触れられたとわかったら、
なにをされるかわからない。
急いでお風呂から上がって胸元が隠れる服を纏う。
「リズ、これなら大丈夫かしら?」
「ええ。なんとか。」
「リズ、ディランお兄様がきたら体調が優れないから休んでいると伝えてくれる?」
寝てしまえばお兄様だって遠慮して下さるだろう。
ましてやセドリックお兄様とかち合ってしまったら元も子もない。
「かしこまりました。
もうお休みになられますか?」
「そうするわ。」
布団に入って目を閉じても、
一向に眠れそうもなかった。
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