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Short Cake〜官能短編集〜
第3章 チェリーパイ

13時が近くなり、会食の席に移動していると。
タブレットを開きながら何やら難しい顔をしている若社長。

「藤岡君、次の新しい企画なんだけど。
ここにこれだけの経費をかけるより、
もう少しここを抑えて…」

彼の真剣な横顔を見ながら
この会社についてまだ2年なのに、
入社した時よりずっと凛々しく逞しくなったな…としみじみ感じる。

社長と並んで会社を背負っていけるようになるのもそう遠くないだろう。

「藤岡君、聞いてる?」

「…え?
あっああ!そうですね……」

ぼんやりと彼の話を聞き流しながら、
彼が社長になったら、私はこのまま彼の秘書として働かせてもらえるのだろうか?

それを考えたら胸がキュッと切なくなる。
店につくと少しの胸の痛みを抑えながら、
若社長の後ろについて会食の席へと向かった。





「やーそれにしても入社2年にしてここまでやってくれるとは将来有望ですねえ」

営業部長が真っ赤な顔をして若社長に問いかける。

「ありがとうございます。
わたしが会社のために努力しようと思えるのも、ここまで会社を大きくして下さった父や営業部長の尽力のおかげだと思っておりますから」

苦手な営業部長に絡まれてもなおお世辞を並べて笑顔で対応している彼のストレスと言ったら相当なものだろう。


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