この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Short Cake〜官能短編集〜
第3章 チェリーパイ
「やっやめてください……」
「いいのか?断って…
若社長にもこうやって気に入られてるんじゃないのー?」
ゆっくり手を払おうとしてもビクともしない。
他社の社員が同じ部屋にいる手前思いっきり振り払えないのがキツイ。
やめて。気持ち悪い…
思わずうつむくがじんわりと涙がにじむ。
若社長が苦手なのと同じようにわたしだって苦手なんだ。
若社長の上目遣いを断っても来るんじゃなかったかな…なんて思っていると。
ツーっと登ってきた指がわたしのショーツのゴム部分に手をかける。
うそっ…!?
全身に一気に寒気が走り、鳥肌が立つ。
声をあげようと思ったとたんショーツに触れている方の反対の手でわたしの口をふさぐ。
怖いっ…!!!
目に溜まっていた涙が次々に流れ、口をふさいでいる営業部長の手を濡らしていく。
指がゴムをくぐり抜け茂みに触れたそのとき。
「藤岡くん、待たせたね。
それじゃあ行こうか。」
はっと聞こえてきた声に顔をあげると、
若社長はわたしのお尻にあった営業部長の腕を掴み上げていた。
彼は自然にその手を離すと柔らかい笑顔をみせる。
「営業部長、今日は××社との会食盛り上げて下さってありがとうございました。
おかげで良い関係が築けそうです。
ではまた次の機会に。」
若社長は彼のポカンとした表情を無言で一瞥すると
わたしの腕を掴んで強引に歩き出した。
良かった。きてくれた。助けてもらえた。
あまりにスマートに制止してくれたから、
一瞬何が起きたかわからなかったけど。
若社長が助けてくれたっていうことだけで
安心して、わたしは営業部長が見えなくなるなりガクンと膝から崩れ落ちてしまった。
「…あっ……すみま…せ……」
「藤岡くん、ごめん。
僕が付いてきてなんて頼まなければこんなことには…」
「いえ、…良いんです。ご飯、おいしかったし…。」
笑顔を見せるけどうまく笑えていないのが自分でもわかる。
.