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Short Cake〜官能短編集〜
第3章 チェリーパイ
若社長はしゃがみこんでわたしに目線を合わせると、
カタカタと震えるわたしの手をそっと包み込んだ。
「ごめん……ごめん。」
若社長はわたしの頬に手を添えて震えるわたしの唇をなぞる。
「触られたのはお尻だけ?胸は?キスは?されなかった…?」
「…はい……」
答えると若社長はわたしの手の甲に唇を合わせる。
なんだか王子様のようだ。
その唇を見つめていると。
「藤岡くん、立てる?」
「あっ…はい……」
やばい、見惚れてた。
さっきまで怖い目にあっていたのに、若社長に触れられただけでわたしの頭は若社長でいっぱいになってしまっている。
「そ?それならよかった!
それじゃあ行こうか。」
会食でのスイッチがオフになったのか、
いつものように人懐っこい笑顔をみせてわたしの手を握り歩き出した。
若社長、この手にはどんな意味があるの?
そう思って前を歩く背中を見つめるけど、
きっとどんな意味もない。
こういうさりげないボディタッチが他の女にも期待させてるのかもしれない。
わたしもその一人だから。
若社長と共に会社に戻ると、デスクに座ろうと背を向けた瞬間ぐっと後ろに手を引かれた。
「…っ!?きゃっ」
訳が分からずバランスを崩して後ろに倒れそうになると、
若社長に後ろからぎゅっと強く抱きしめられる。
「え…?、若…社長…?」
「あんなことさせるために君を連れて行ったわけじゃないんだ」
誰…?
先ほどまでとは変わって真剣な低い声で後ろから囁かれる。
「ごめん」
「もう、大丈夫ですから…。
それより、15時からのミーティンっ…!?」
全て言い切る前に後ろから強引に口付けられる。
突然の若社長の行動に目を見開く。
目の前の綺麗な顔に驚きを隠せない。
待って、どうなってる?
わたし、若社長とキスして…
「んっ……んぅ…あっ…」
若社長はわたしを正面から抱きしめ直し、さらに深く口付けてくる。熱い舌が強引にわたしの口内にはいりこんで、掻き回す。
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