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Short Cake〜官能短編集〜
第1章 チョコブラウニー
「ここ、授業でも言ったけど
芳香族で水に溶けるものっていうのは中和でできた塩だから、例えばサリチル酸ナトリウムとか…」

先生の真剣な表情。
教える時はいつも顔が近くて、何度教えてもらってもドキドキする。

「おい、加藤聞いてる?」

「はっはい…。」

「他にはナトリウムフェノキシド、安息香酸ナトリウム…」


え?


あれ?


なんで?


先生の手、太ももに当たってる…?

ただでさえ顔が近くてドキドキしていたのに、
先生の手が気になってさらに心臓がうるさく騒ぎ出す。

「あれ、加藤顔真っ赤だよ?体調悪い?」

「だっ…大丈夫…です」

先生の手が当たる場所が熱い。
たまたま当たってるだけ?

「加藤、ただでさえ遅れてるんだから、ちゃんと集中しないと。
ちょっと休憩する?」

「はいっすみません先生、ちょっとお手洗いに…」

「おう、行っといで。」

なになになに、普通気付くよね!?
間違いで太ももに手を置くとかある!?

鏡で自分の顔を確認すると、
茹でたてのタコのように真っ赤になっていた。

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