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BLACK WOLF~調教~
第2章 深紅
さすがに相談出来るとしたらここまでだ。

壊れるまで抱かれてる、なんてそんな相談出来るわけないし、黒埼さんとの馴れ初めを聞かれてもややこし過ぎてどこから話せばいいのかわからないし。

でも、嘘はついてない。

黒埼さんの束縛でがんじがらめになってるのは事実なのだから。

「舞さんの事が好き過ぎるんじゃないッスか~?もしくは、心配とか…」

「あのね…」



私の事を気に入ってはくれてるんだろうけど、好き過ぎるという一言で片付けていいものか…?

私を抱いてるときの黒埼さんは私と違っていつも余裕の笑みを浮かべている。

どんなに酷く扱っても絶対に私が離れていかないことをわかって、読み取って、それで乱暴に扱ってる気がする。

私ばかりいつもいっぱいいっぱいになってる。


「だって、どうでもいい女なら放置ッスよ?」

「好きなら好きで私の気持ちも尊重して欲しいよ。束縛され過ぎると"私は人間じゃなくて、物?"って思えて来る…」

「それが出来ないのが男心なんですよね~」

「何を訳のわかんないことを…」



……意見がまだまだ若い。

っていうか、私も年下相手に何でこんな相談をしてるんだろう。

男心を全て悟ってるかのような得意気な白石君を横目にはぁっと溜め息をついて我に返った。




確かに、私と黒埼さんには過去にいろいろあって

今、私は黒埼さんの邸にご厄介にはなってる。

私のために豪華な部屋まで与えてくれてる。

私のためにいろんなものを用意し与えてくれてる。


私の事は嫌いではないし気に入ってはくれてるとは思う。

黒埼さんの口から"好きだった"って、告白までされてるし、黒埼さんの気持ちは信じてる。


だけど、その愛情がたまに凄く重い。

まるで何トンもある鉛玉を背負わされてるみたいに。





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