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BLACK WOLF~調教~
第2章 深紅
本当に私の事が好きなら私の気持ちを汲んで尊重してくれてもいいはずだ。

お互いの気持ちを思い合う…、恋人ってそういうものじゃないの?

どちらかが一方的に思いをぶつけるんじゃなくて、お互いに歩み寄るものじゃないの?

あんな広い邸で軟禁されて、束縛されて…、これで本当に恋人だなんて胸を張って言えるのだろうか…?

…って、黒埼さんから出された条件を守ってる私も私だけど。





「でも、そこまで酷いダサ男も珍しいッスよね~。ちょっと見てみたいかも~」

「…やめといた方がいいよ」



白石君に私と黒埼さんの全てを話す訳にはいかないし、話せば長くなるし

白石君の中で黒埼さんはダサ男認定されてるけど。



それに、白石君と黒埼さんを会わせるなんてとんでもない話だ。

厳密に言えば、これも黒埼さんからの条件を破ってることになる。



"俺以外の男性と仕事以外で親しく喋るな"

と、こんな条件まで突きつけられてるのだから。



接客業ということは伝えてあるしある程度の会話をしないと仕事として成り立たない。

それ以外での異性との会話は一切認めない、と。



こうやって白石君と話してる事がバレたらまた怒られるんだろうけど、相手が話しかけてるのに無視も出来ない。

とりあえず、黒埼さんの事はペラペラ喋らないようには心掛けてはいるが、本当に息が詰まりそう…。























昼間の忙しい時間帯も過ぎキッチン内の壁に掛けられた時計を見ると時刻は14:50。

もうすぐ退社時間だ。

カウンター前にお客様は並んでないし来店の気配もない。

店内にはお客様がちらほらいらっしゃるだけ。


「もうすぐ退社時間だね」

「そうッスね。平日は暇ッスからね~」





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