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BLACK WOLF~調教~
第2章 深紅
どうせ帰っても黒埼さんは仕事で邸にはいないだろう。

まぁ、今は黒埼さんと話したい気分じゃないからちょうどいいけど。

あー、それに今日は酒井さんが来る日だな。

…家に帰っても暇だ。



時計をチラチラ見ながら退社後の過ごし方を考えた。

どっかに遊びに行きたいけど、帰りが遅くなったらまた黒埼さんにとやかく言われそうだし。

…自分は付き合いだ何だでパーティーに行ったりする癖に私はダメだなんて…。

はぁ…っと溜め息を吐いていると…。



「あ、舞さん!この後よかったら遊びに行きませんか?」

「は?」



つまらなそうに溜め息を吐く私の隣から白石君の突然の申し出。

一瞬何を言われたかわからずに固まってしまった。


白石君、私を誘ってくれてる…?

で、でも何で…?


「な、何言ってんの…?」

「俺の知り合いがクラブでDJしてるんです。ペアチケットもらったんで気分転換にどうですか?」

クラブ?DJ?…なるほどね。

私がつまらなそうにしてるから気を使ってくれたんだ。

「いや、私は…」

「お酒苦手系ですか?」

いや、そんな事はないが…。

っていうか、お酒って…、白石君は未成年じゃなかったっけ?


というか、クラブというもの自体に行ったことがない。

今はこうして都会のど真ん中のファーストフード店で働いてるけど元は田舎から出て来た田舎娘だ。

クラブなんて行ったことないし、絶対浮いてしまう。

それに、私みたいな田舎娘が連れじゃ白石君に恥をかかせてしまう。


「そういう場所、あんまり得意じゃないから…。彼女でも誘いなよ」

都会っ子の白石君の彼女ならきっと可愛くてお洒落な子に違いない。

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