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BLACK WOLF~調教~
第2章 深紅
それに何と無く…、そんなに歳の差があるわけではないが年上の私を連れて行っても楽しくないだろうし。

と、ついつい白石君の事を考えて丁重にお断りした。


もし、異性とクラブなんて場所に行ったと黒埼さんにバレたらタダじゃ済まないだろう。

黙ってればバレないだろうけど、黒埼さんは勘がいいし、どこから情報が漏れるかもわからない。

町中で黒埼さんが雇ったスパイが目を光らせてる、そんな錯覚さえ起こしてしまいそうなほどに情報通だから。




「俺、彼女なんかいませんよ。フリーです」

「え?意外…」

白石君、フリーなんだ。

明るいし素直だし…、言葉の端々にトゲはあるけど見た目もイケメンだし彼女の1人ぐらいいると思ってた。

最近の若い子は彼女とか、そういうものに拘らず1人の時間を大事にするって聞いたことあるけど、白石君もそうなのかな?

「今は…、特別な1人っていうのはいないッスね」

「あ、そう…」

こんなふうに女性を誘うことに特別な感情もないんだろう。

しかし、さすがに慣れてないクラブというものに行く気にはなれず黒埼さんにバレるのが怖くて白石君からの誘いは断った。

白石君なら私なんか誘わなくても友達は多いだろうし、1人になることはないだろう。

私が心配するほどでもないな。














15:00になり私と白石君は退社。

更衣室で着替えを終えて外に出ると…。


「お疲れッス!舞さん」

「あ、白石君…?」


スタッフ専用の裏口から外に出ると、そこにいたのは白石君。

「何してんの?帰ったんじゃないの?」

白石君と退社時間が被った日、白石君はいつもさっさと先に帰ってる。

女性の私と違ってメイクも髪も直さなくていいから着替えも早いはずなのに。






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