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BLACK WOLF~調教~
第2章 深紅










……え?













突然、背後から聞こえたその声。


















ドックンと心臓が高鳴った。















低く、唸るような、明らかに怒りが感じられる声。















こ、この声は、まさか…。

どうしてここに…?






壊れたロボットのように恐る恐る声のする方に首を向けると、そこにいたのは

















「く、黒埼さん…!」



振り返ると、そこにいたのは…、黒い高級車にもたれかかり真っ黒なスーツを着た黒埼さんの姿が…。

その表情は、明らかに怒っている。


「黒埼さ…、どうしてここに…?」

黒埼さんの表情を見るなり怒ってるとすぐにわかった私は恐怖のあまり2、3歩程後退り。


「今日は仕事が早く片付いたし夕方から大雨だと聞いてたから迎えに来た。…俺に気付いてなかったみたいだが」


よく見ると、黒埼さんの傍らには真っ黒で大きな黒埼さんの愛車の外車が停まっていた。

しかも、裏口の真っ正面、ドアを開ければすぐに目が付きそうな場所に駐車してあるのにその存在に全く気づけなかったのだ。


「あの、それは…」

「仕方無ぇか…。あの男と楽しげに話してたもんな」

「………っ」


黒埼さんの言うとおり、裏口から出てすぐに目に飛び込んで来たのは黒埼さんの愛車ではなく白石君の姿。

まさか、白石君が私を待っててくれてるなんて思いもしなかったから。

しかし、今はそれどころではない。


「お前、また俺との約束を破ったな」


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