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料亭『満月』
第1章
座卓を挟んで左側に、紺のビジネススーツを着た女が二人いた。
今立ち上がったところだった。
二人が深々とお辞儀する。
「お休みの日に、遠いとところわざわざご足労願いまして、申し訳ありませんでした」
「いや、いいんだよ。仁科君、日曜日だろうと、君に呼ばれれば来ないわけにはいかないよ」
私はほほえんで見せた。
仁科の顔には幼さが無くなり、その口調、振る舞いもキャリアウーマン然としたものになっていた。
「そういえば、仁科君、君は四月から係長に昇進したんだって、それはおめでとう」
「ありがとうございます。これも篠原専務のお力添えのおかげです。わが社も前年度は今までにない業績でした。本当に感謝しております。三谷部長もくれぐれもよろしくと言っておりました」
今立ち上がったところだった。
二人が深々とお辞儀する。
「お休みの日に、遠いとところわざわざご足労願いまして、申し訳ありませんでした」
「いや、いいんだよ。仁科君、日曜日だろうと、君に呼ばれれば来ないわけにはいかないよ」
私はほほえんで見せた。
仁科の顔には幼さが無くなり、その口調、振る舞いもキャリアウーマン然としたものになっていた。
「そういえば、仁科君、君は四月から係長に昇進したんだって、それはおめでとう」
「ありがとうございます。これも篠原専務のお力添えのおかげです。わが社も前年度は今までにない業績でした。本当に感謝しております。三谷部長もくれぐれもよろしくと言っておりました」