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料亭『満月』
第1章
三谷は四十代後半。
私より何歳か若い。
白のワイシャツに紺のネクタイ。
白髪交じりの短め頭髪はきちっと固めてある。
神経質そうな細面の顔と、同じように細い体。
胃が悪いと聞いたときがある。
営業には多い病気だ。
「そうでしたか、それならここを選んだ甲斐がありました。あ、篠原専務、今日は新しく担当させていただく営業の者を連れて参りました。ほら、名刺交換して……」
三谷に促された若い女が、お辞儀をすると両手で名刺を差し出した。
「篠原専務、初めてお目にかかります。このたび御社の担当になりました仁科と申します。よろしくお願いいたします」
受け取ると、私も名刺を取り出し、渡した。
「篠原です。よろしく」
彼女は両手で名刺入れの上で丁寧に名刺をもらい「ちょうだいいたします」と、また頭を下げた。
私より何歳か若い。
白のワイシャツに紺のネクタイ。
白髪交じりの短め頭髪はきちっと固めてある。
神経質そうな細面の顔と、同じように細い体。
胃が悪いと聞いたときがある。
営業には多い病気だ。
「そうでしたか、それならここを選んだ甲斐がありました。あ、篠原専務、今日は新しく担当させていただく営業の者を連れて参りました。ほら、名刺交換して……」
三谷に促された若い女が、お辞儀をすると両手で名刺を差し出した。
「篠原専務、初めてお目にかかります。このたび御社の担当になりました仁科と申します。よろしくお願いいたします」
受け取ると、私も名刺を取り出し、渡した。
「篠原です。よろしく」
彼女は両手で名刺入れの上で丁寧に名刺をもらい「ちょうだいいたします」と、また頭を下げた。