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* 花音’s short story *
第10章 *美羽 × 恒 ~ 2人の熱を分けあって♡ ~






ちょっと遅くなっちゃったな。


終業後に行われた納会で、上司に捕まってしまった。

はやる気持ちを抑えて、駅を出たところで結城くんに電話をかける。


『もしもし?』

「ごめんね、遅くなって。もうすぐ帰るんだけど、なにか食べたいものある?」

『ん~そうだなぁ』

「今、駅前だからなんでも言って」

『なんでも?』

「うん」

『美羽さん』

「え?」

『美羽さんが食べたい』

「………………」

『美羽さん?』

「あ、うん」

『だから早く帰ってきて?』

「……わかった」


電話を切って、大きく息を吐いた。
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