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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
「だからね。ほんとに…買おうだなんて」
数時間前のコンビニでの事を回想し、泉夏は口を開いた。
あまりもたついていて、こっちに戻って来られたら恥ずかしい-適当なトラベルセットと、別の商品棚で見つけた下着を手に、急ぎ気味にレジに向かっている途中で目に入った。
ただの偶然だった。
自分だって、一応はうら若い女子大生だ。
その箱が視界に入った瞬間、意味のない罪悪感と羞恥に襲われた。
こんなのに気をとられてる場合じゃない-足早に素通りしたのに。
その足は、数歩進んで止まってしまった。
少なくとも、今夜はない-そんなの分かってる。
自分自身、軽々しく関係を結ぶ事を良しとしない。
彼だってどう考えたって、簡単にそういう行為をするタイプではない。
その証拠に、どうかなりそうだった彼の唇は寸前で離れた。
もっともそれは、自分に完璧な魅力が備わってない事への裏付けのようでもあったけど-。
数時間前のコンビニでの事を回想し、泉夏は口を開いた。
あまりもたついていて、こっちに戻って来られたら恥ずかしい-適当なトラベルセットと、別の商品棚で見つけた下着を手に、急ぎ気味にレジに向かっている途中で目に入った。
ただの偶然だった。
自分だって、一応はうら若い女子大生だ。
その箱が視界に入った瞬間、意味のない罪悪感と羞恥に襲われた。
こんなのに気をとられてる場合じゃない-足早に素通りしたのに。
その足は、数歩進んで止まってしまった。
少なくとも、今夜はない-そんなの分かってる。
自分自身、軽々しく関係を結ぶ事を良しとしない。
彼だってどう考えたって、簡単にそういう行為をするタイプではない。
その証拠に、どうかなりそうだった彼の唇は寸前で離れた。
もっともそれは、自分に完璧な魅力が備わってない事への裏付けのようでもあったけど-。

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