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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
『キスより先はしてくれない?』
『帰った方がいい』と言われて泣き喚くより。
伝えれば良かった。
欲しいのだから。
もう絶対欲しくて堪らないのだから、最初からこうやって言えば良かった-。
「『帰って来たって、絶対逢ってなんかあげない』って言うに決まってる。帰りたくないのに『帰れ』って先生が言うから。『合ってるようで合ってない』に決まってる。『どうかして欲しい』って思っているのに、途中でやめちゃうから。それでも最初は自分の思いは封印した。でも二度目は…滅茶苦茶傷付いた。よっぽど自分に魅力がないのかなって。やっぱり子供扱いされてるのかなって。泣きたくなるに決まってるじゃない。嫌だなんてちっとも思ってない。私の気持ちを先生が勝手に決めつけないで」
口を挟む間もないくらいに続く、自分への恨み言。
でも不快でも。
地の果てまで落ち込んでしまうものでも-どちらでもなかった。
『帰った方がいい』と言われて泣き喚くより。
伝えれば良かった。
欲しいのだから。
もう絶対欲しくて堪らないのだから、最初からこうやって言えば良かった-。
「『帰って来たって、絶対逢ってなんかあげない』って言うに決まってる。帰りたくないのに『帰れ』って先生が言うから。『合ってるようで合ってない』に決まってる。『どうかして欲しい』って思っているのに、途中でやめちゃうから。それでも最初は自分の思いは封印した。でも二度目は…滅茶苦茶傷付いた。よっぽど自分に魅力がないのかなって。やっぱり子供扱いされてるのかなって。泣きたくなるに決まってるじゃない。嫌だなんてちっとも思ってない。私の気持ちを先生が勝手に決めつけないで」
口を挟む間もないくらいに続く、自分への恨み言。
でも不快でも。
地の果てまで落ち込んでしまうものでも-どちらでもなかった。

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