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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
左のまなじりを起点とし、秀王の唇は冷たい涙の跡を辿り始める。
泉夏の瞳孔が開いた。
目尻から頬-徐々に下る彼の口唇に、泉夏は大きく息を呑む。
思わず身を捩ろうとするものの、片手は彼によって握られたままで-逃れらなかった。
遂に頬から顎に伝った彼に、泉夏は思わず声を上げた。
「あっ…」
『またきっと、はしたないと思われてしまう』-頭の片隅で冷静に考える自分がいた。
堪えようとしたのに、顎から首筋に移った熱い唇に、呆気なく喘いでしまう。
「あ…ぁっ」
絶え間ない首への口付けに、自由が利く右手が彼を求めた。
秀王の背に回った泉夏の手は、彼の着ていたカットソーを力任せに握り締める。
こうして何かに頼ってないと、とてもこのまま座ってなんかいれそうになかった。
触れても結局離れてしまった今までとは、明らかに異なっていた。
遠慮がちになどじゃない。
確かな意志を持って、彼は触れてきていた。
そして何より-彼の口唇はもう離れる気など、更々なかった。
泉夏の瞳孔が開いた。
目尻から頬-徐々に下る彼の口唇に、泉夏は大きく息を呑む。
思わず身を捩ろうとするものの、片手は彼によって握られたままで-逃れらなかった。
遂に頬から顎に伝った彼に、泉夏は思わず声を上げた。
「あっ…」
『またきっと、はしたないと思われてしまう』-頭の片隅で冷静に考える自分がいた。
堪えようとしたのに、顎から首筋に移った熱い唇に、呆気なく喘いでしまう。
「あ…ぁっ」
絶え間ない首への口付けに、自由が利く右手が彼を求めた。
秀王の背に回った泉夏の手は、彼の着ていたカットソーを力任せに握り締める。
こうして何かに頼ってないと、とてもこのまま座ってなんかいれそうになかった。
触れても結局離れてしまった今までとは、明らかに異なっていた。
遠慮がちになどじゃない。
確かな意志を持って、彼は触れてきていた。
そして何より-彼の口唇はもう離れる気など、更々なかった。

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