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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
結果的に、自分から誘うような事をしてるのに-頭を過ったが、それとこれとは別問題だった。
話す事も儘ならなくなったはずのひとが、自分の身体を弄(まさぐ)っているのだ。
いざとなったら心が追いつかなくなるのも、無理はなかった。
「せんせ…」
-恥ずかしい。
漏らしてしまいそうになったのに、それは甘い啼き声に替わった。
「あ…んっ」
乳房の先端を指先で擦られ、ちりちりとした快感が全身を支配してゆく。
数回転がされただけで、胸の先端は簡単に固く勃ち上がった。
「あっ…あぁ…っ」
頭をもたげた突起に執拗な摩擦を加えられ、数秒前に『恥ずかしい』と思った事などすぐに消え失せた。
最高に心地良いくせに、矛盾して彼の愛撫から逃げ出したくなる-しかし、それは許可されなかった。
身体を離しかけた泉夏を、秀王の片腕が強く抱き寄せた。
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