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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
泉夏は彼の腕の中で熱い息を吐く。
乳房の頂に淫らな戯れを受けながら、ひとり必死に快感に耐えていれば、耳元に囁かれた。
「泉夏…脱がせてもいい?」
微かに上擦っているような声音で問われ、泉夏は朦朧とした意識の狭間、首を左右に振った。
「そんなの…訊かないで」
色欲に溺れ始めた瞳で彼を見据え、少し怒ったような口調で泉夏は告げた。
秀王の手の動きが、一旦止まる。
「もうさっき言ったじゃない。先生なら何をしてもいい。先生になら何をされてもいいの。何を訊かれたとしても、私は先生に『だめ』なんて言わない。だから訊いてこないで。だって答えは『全部いい』に決まってるんだから」
-『脱がせてもいい』だなんて、恥ずかしくて言えない。
本音を零した泉夏に、秀王の中で愛おしさが上乗せされてゆく。
なんの迷いもなくでは多分ないだろうけど。
でも時折とてつもなく大胆な言動で、自分を掻き乱してくる。
そうかと思えば今度は頬を上気させ、顔を上げられないでいる。
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