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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
「泉夏はいつも俺を買い被り過ぎだ。ほんとに、誰もいなかったよ。気になる誰かもいなかった」
-泉夏を除いては。
頭から肩、それから背に秀王の両手が滑り、泉夏はいきなりの刺激に思わず反応してしまう。
身体が小さく跳ねる。
「向こうに行ってから、泉夏の事を考えるようになっていた。初めは僅かの時間だったけど、それが次第に長く。気付けば毎日、泉夏を想っていた」
-だから他の誰かを考える暇なんてなかった。
告げた秀王の唇は、泉夏の首筋を吸った。
突如始まった戯れに、泉夏は悶える。
「ん…でもっ…やっぱり、うそ」
舌先にそこを舐められ増々身悶えるが、彼の手に腰を固定され、泉夏は動く事は許されずに耐えるしかない。
悩ましく応える泉夏に、秀王は笑った。
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