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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
ジーンズは大腿部付近まで下されており、とり急ぎコンビニで購入した下着は、とっくに彼の目に触れていた。
万が一の為、選択肢の少ない商品の中から、最も可愛らしいものを選んだつもりだった。
でもこんな夜になると最初から分かっていたのなら、もっと大人っぽい上下お揃いの下着をつけてきたのに。
この間買ったばかりの、レースが沢山ついたブルーの素敵なやつもあったのに。
恥ずかしいはずなのに、焦る気持ちとは裏腹に、頭の片隅ではそんな事を思い巡らせていた。
泉夏がぼんやり考え込んでいれば、両脚が冷たい空気を纏った。
ジーンズは既に足首まで移動しており、動揺した泉夏が何かを言うより早く、秀王の手によって片足ずつ外された。
とうとう自分が身に付けているのは-下着一枚のみ。
大慌てで両脚を擦り合わせる。
まさかこんな姿を晒す日が来るなんて。
全部を脱がなきゃならないのは分かってる。
でも-。
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