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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
「俺だからだって思ってる。俺を好きでいてくれるからだって。俺を信用してくれてるからだって。自惚れじゃない-」
-そう言って?
抱き返され、念を押される。
「…先生だからに決まってる」
恥じ入りながらも、泉夏ははっきりと言い放った。
「先生が相手だから。大好きなひとが触れてくれるから嬉しくって。だから」
-安心して、その心地良さに身を委ねていられる。
泉夏は彼の腕の中で吐き出した。
素肌で体温を感じ、触れ合うだけで果てそうになっている。
そこに琴線に触れるこんな幸せな事を言われたら。
最後まで保っていられるか、情けないけどほんとに自信がなくなってゆく。
しかし、そんな弱気な自分はおくびにも出さず。
秀王は自分に縋る彼女に言い聞かせる。
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