この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
「言い訳じゃなく。視線を外した先に、たまたま時計が目に入っただけだ」
彼の口振りに嘘は感じられなかったが、それでもまだ口を開く事は難しい。
やっと迎えた夜だった。
嬉しさに涙したばかりだった。
瞬きもせずに、ひたすら自分だけを見てろと強制しているのではない。
それは自分だって無理だ。
でもそっと様子を窺っていれば、それは『少し』の時間には思えなかったのだ-少なくとも、自分にとっては。
僅かに苦しそうに眉を寄せ、短い息を吐いた。
『たまたま目に入った時計』を暫しじっと見遣り、何かを考えている風だった。
その姿を見てしまえば、面白くなくなったとしても仕方がなかった。
憂いの晴れない泉夏の唇から顎へ指先を伝わせ、秀王は独り言の延長のようなそれで呟く。
「泉夏を一晩中見ていたいって思っているのに、現実はそう上手くいかないらしい」
「うまく…いかない?」
泉夏は思わず、訊き返す。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ