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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
休日に家族や友達と出掛けた先。
楽しそうな恋人達を見かけると、堪らなく羨ましかった。
彼がいたらと、何度も思った。
もしも今、隣りに彼がいたならば、自分だって。
淋しが爆発してしまう、切ない夜。
もしもここに彼がいたならば、一晩中抱き締めてもらうのにって。
だから、嬉しい。
スタバで待ち合わせをして。
向かい合ってご飯を食べ。
ふたりして同じ味のキスをしてる-。
息も出来ぬくらいの、情熱的な口付け。
思わず身を捩り、少し顔を背けてしまう。
やっと自由になったそれでどうにか呼吸を整えていたのだが、すぐにまた塞がれる。
「あ、や…んっ」
ほんの数秒しか、離れる事を許されなかった。
背中は全面、窓についている。
逃げ場がないので、どうしようもない。
酸欠で、頭の中が霞んできそうだった。
苦しい。
でも、もっと。
あなたとの、三か月振りの。
悦ばないはずがない。
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