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第16章 永劫の春

そんな事を繰り返しながらの、今夜。
今までと違う。
今までの一時的な帰国ではない。
本当に帰って来てくれた。
もう二度と、どこにも行かない。
『逢いたい』と思えば毎日だって逢える距離に、これからはずっといてくれる。
『帰って来て欲しい』という願いを、彼は確かに叶えてくれた。
ならば自分も応えたい。
そんな事を考えていれば律動が強まり、泉夏は奥歯を噛み締め、声を殺す。
耐え忍ぶその姿は、秀王の目にとてもいじらしく映った。
それと同時に、いつまでそうしていられるのかと試してみたくなってしまう。
その口から聞きたいとずっと思ってきたのに、その機会にはなかなか恵まれなかった。
やっと呼んでくれたかと思えば、また振り出しに戻り。
距離の問題もあるかもしれない－だとすればそれは自分に非があるからだと、今まではあえて踏み込んだ事は言ってこなかったけれど。