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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
彼女のそこから屹立したものが抜かれ、ふたりの繋がりが解かれたかと思えば、泉夏の身体は抱き起された。
「泉夏。俺は…誰?」
ベッドの上に半身を起こした泉夏に向けて、秀王は問いかける。
真っ直ぐに見据えられ。
泉夏は肩を上下させながらも、彼に答える。
「…しゅう」
呼び慣れてないのに加え、こんなに間近で期待を込めた目をされると、余計に気恥ずかしくなってしまう。
それでも。
小声にはなってしまったが、泉夏は彼の名を口にした。
瞳は外されてしまったが、確かに呼ばれ、秀王は嬉しさに口元を緩めた。
「今夜はもっと呼んで。今夜からはもっと呼んで-」
-これからはずっと、泉夏の側にいるから。
泉夏の背中側に回った秀王は彼女の身体を包むように抱き、次いで腰を掴んで持ち上げた。
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