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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「平気?」
背中から問われ、泉夏は無言で微かに頷いた。
「もしも痛かったりしたら、教えて?」
優しく気遣う彼にもう一度応えようとし-腰を背後に引かれた。
先端が奥の敏感な場所を的確に捉え、シーツを握る泉夏の両手に力が入る。
「あぁ…っ」
最初は緩やかに。
徐々に腰を打ち付けられる間隔は短く、強くなる。
「あ、あっ、あっ…」
だらしなく半開きの口唇から発せられるのは、喘ぎのみ。
怖さや痛みなどまるで無縁だった。
それどころか後背位での交わりは、いつもと異なる深さと角度で、泉夏をより悩ませる。
『初めての体勢だから』だけじゃなく。
明らかに感度が高まっていた。
ひとそれぞれに、一番気持ちがいい部分も違うし、一番の快感を得る方法もきっと異なるだろう。
自分の場合はこれかもしれない-そう思えるくらい、子宮が悦んでいた。
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