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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「うん。違う事をしたら、違う泉夏が見れるとは思ったけど-」
-想像以上だった。
熱い息が耳にかかり、泉夏の顔と身体は快感と羞恥に染まる。
「またそういう…!」
「さっきも言ったけど、嗤ってるんじゃない。その…あまりにもいつもと違う泉夏になっていったから。ただでさえ昂ぶっている今日の気持ちと重なって、凄く興奮した。嬉しくなったし、そんな泉夏をもっと見たいって思った。それが結果的に、意地の悪い事に繋がってしまったんだけど」
怒ればいいのか、恥ずかしがればいいのか-はたまた、喜べばいいのか。
至極真面目に告げられ、泉夏は悩んでしまう。
「…嬉しい?」
色々言いたい事はあるのに、一番に口をついて出たのはそれだった。
さっきから何を訊いてるんだろう-泉夏は慌てて取り消そうとしたのが、それより早く即答された。
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