この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「せんせい…」
長い口付けから解放された唇が呟き、秀王は苦笑いする。
「またすぐ『先生』に戻ってる」
「あ…」
言われて、気付く。
照れ臭いとか照れ臭くないとかじゃなく。
勿論、それこそ『意地悪く』してるのでもない。
単純に忘れてしまってた-その表現もちょっと適切ではない。
今までの普通がそれだったから、どうしても自然と口をついてしまうのだ。
新しい呼び名の方が自然になるまで、今しばらく時間を要しそうだった。
「…ごめんね?」
ばつが悪いので控え目に泉夏が謝れば、予想外の言葉を返される。
「許さない」
「えっ」
「だめ。許さない」
しかし、聞き間違いなどではなかったようだった。
その証拠に二度同じ台詞を繰り返され、泉夏は目を丸くして秀王を見た。
視線の先で彼は静かに笑っていた。
長い口付けから解放された唇が呟き、秀王は苦笑いする。
「またすぐ『先生』に戻ってる」
「あ…」
言われて、気付く。
照れ臭いとか照れ臭くないとかじゃなく。
勿論、それこそ『意地悪く』してるのでもない。
単純に忘れてしまってた-その表現もちょっと適切ではない。
今までの普通がそれだったから、どうしても自然と口をついてしまうのだ。
新しい呼び名の方が自然になるまで、今しばらく時間を要しそうだった。
「…ごめんね?」
ばつが悪いので控え目に泉夏が謝れば、予想外の言葉を返される。
「許さない」
「えっ」
「だめ。許さない」
しかし、聞き間違いなどではなかったようだった。
その証拠に二度同じ台詞を繰り返され、泉夏は目を丸くして秀王を見た。
視線の先で彼は静かに笑っていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


