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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
これではまるで、愛情の裏返しで好きな相手を苛めてしまう子供のようでもあった。
もう十分、いい年をしたおとなであるはずなのに、そんな自分が恥ずかしくもなってしまう。
そんなんじゃない。
自分は何も。
惑わす彼女が悪い。
正当化するかのように『自分は悪くない理由』を様々考えてみる。
自分と同じように好きで。
自分と同じくらいに欲しい。
ただ、そう言って欲しい。
自分が与える全てのものに、満足して欲しい。
『欲しい』って、もっと言って。
果てなくする用意はいつだって出来ている。
欲しがっているのは、とっくに知っている。
してあげるからひとこと、形ばかりの許可が欲しいだけ。
その口から言わせたい。
なのに、言わない。
一番に言って欲しい時に、なかなか言ってくれない-欲しいくせに。
もう十分、いい年をしたおとなであるはずなのに、そんな自分が恥ずかしくもなってしまう。
そんなんじゃない。
自分は何も。
惑わす彼女が悪い。
正当化するかのように『自分は悪くない理由』を様々考えてみる。
自分と同じように好きで。
自分と同じくらいに欲しい。
ただ、そう言って欲しい。
自分が与える全てのものに、満足して欲しい。
『欲しい』って、もっと言って。
果てなくする用意はいつだって出来ている。
欲しがっているのは、とっくに知っている。
してあげるからひとこと、形ばかりの許可が欲しいだけ。
その口から言わせたい。
なのに、言わない。
一番に言って欲しい時に、なかなか言ってくれない-欲しいくせに。

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