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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
感激故に、いつにも増して裸体を押し付けてこられ-そんな事をされたら『何もしない』という選択は難しい。
欲望に駆られ、その唇を奪おうとすれば、彼女自らが顔を寄せてきた。
当然の如く攫い、貪るように堪能する。
昂ぶるふたりの呼吸。
混じり合ったふたりの唾液。
絡むふたりの舌と舌。
幾度も味わったけれど-。
唇から喉元に這った彼の口唇に、泉夏は身を捩った。
「シャワー…浴びさせて?」
-早く寝ないと。
明日-いや、今日は凄く楽しみな一日となるに違いなかった。
もう夜中もいいとこだし、急いでお風呂を済ませて備えたかった。
再び睡魔に襲われたら、それどころじゃなくなる。
朝まで目覚めない自信が十分にあった。
しかしそんな危惧よりも、まさかの更に危うい事態に陥りそうで、それを阻止する為にも泉夏は自分の意思を声にした。
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