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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
今夜は体力を使い果たすまで、一晩中彼女を求めようと思ってた。
しかし次第に疲れか、眠気か、その両方か-そんな様子を見せられれば無視も出来ず、一旦自由にしてやれば、彼女は程なく寝息を立て始めた。
残念な思いがないわけではなかった。
でもこれからは明日も明後日も、いくらでも彼女を欲する事が可能となった。
だから、今夜はもう休ませてやろうと思っていた。
その矢先、思いがけず目覚め、こうして一糸纏わぬ身体を寄せられたら-無理矢理蓋をしたに過ぎない愛欲は、即座に解放されて当然だった。
彼女に振り回されている自分。
彼女に心、掻き回されている自分。
逆らう事なんて出来ない。
十も年下の彼女に。
仕方がない。
自分は今、彼女の言いなりだ。
自分は今、彼女にこんなにも溺れてしまっている。
彼女に全てを支配されている。
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