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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
しかし、最高に嬉しそうな顔を向けられて、泉夏は頬を真っ赤にしてしまう。
この大好きな笑顔で見詰められれば-いつだって平気でおれない。
どきどきしながら-でもそれを決して悟られないように、あくまでも落ち着きを持続させる。
ずっと一緒にいたいのは自分だって。
これからは『逢いたい』と思えば、都合がつく限りいつでも逢える。
けれどようやく『特別な日』を迎えたばかりで。
昨日の今日で、すぐには離れたくないに決まってた。
『二日連続』だなんて、最初から。
母親は無論、とっくに心配性の兄の許可もどうにか得ていた-当然『女友達のアパートに泊まる』事になってはいるけれど。
でもそんなのは帰国前に言えなくて。
気にし過ぎなのは重々承知しているが-恥ずかしくって、その事実は伝えておけなかった。
女の自分から、まるで何かをねだっているようで。
恥ずかしくって、言えなかった。
今更そんな事を告げる勇気もなく-冷や汗を掻きながらも、泉夏は黙っているしかない。
この大好きな笑顔で見詰められれば-いつだって平気でおれない。
どきどきしながら-でもそれを決して悟られないように、あくまでも落ち着きを持続させる。
ずっと一緒にいたいのは自分だって。
これからは『逢いたい』と思えば、都合がつく限りいつでも逢える。
けれどようやく『特別な日』を迎えたばかりで。
昨日の今日で、すぐには離れたくないに決まってた。
『二日連続』だなんて、最初から。
母親は無論、とっくに心配性の兄の許可もどうにか得ていた-当然『女友達のアパートに泊まる』事になってはいるけれど。
でもそんなのは帰国前に言えなくて。
気にし過ぎなのは重々承知しているが-恥ずかしくって、その事実は伝えておけなかった。
女の自分から、まるで何かをねだっているようで。
恥ずかしくって、言えなかった。
今更そんな事を告げる勇気もなく-冷や汗を掻きながらも、泉夏は黙っているしかない。

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