この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
この桜並木を歩くのは、准教授の職を自ら放棄して以来だった。
辺りを見回しながら、ゆったりとした足取りで行くうちに、当時の思い出が次々と甦る。
春休み中、しかも早朝の七時。
構内を歩く人達は本当にまばらだった。
例え擦れ違ったとしても彼を知り、驚きの声を上げる学生は誰一人としていなかった。
未だに彼を覚えているのは今となっては四年生以上だし、知っていたとしてもまさかこんなに朝早く、かつてこの大学で教鞭をとっていた准教授が歩いてるなんてまず思わない。
騒がれる-まではいかなくても。
万が一、追及されるような事があったら嫌だな-来るまでは少し心配もしていた。
なるべく人がいない時間帯がいいだろうと、早起きまでして来たのだけれど、どうやら全くの杞憂だった。
懐かしい花の香りに囲まれながら、ふたりで静かに歩を進めてゆく。
あの当時はまさかこうして、肩を並べて歩く日が来るなんて。
こうして手を繋いで、歩く事が出来るだなんて。
想像すらしなかった-。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ