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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「一昨日、近所のコンビニで会ったよ。龍はいつだって、とっても元気だよ」
「そう?」
「うん。今度先生に会いたいって言ってた」
「俺に…?」
予想外のそれに、秀王の声は上擦る。
「先生が帰って来たら、三人で会おうって。…あ、でも『俺とふたりがいいなら、それでも全然構わないけど』とも言ってた」
「ふたりって…俺と龍貴?」
更なる驚きのひとことに、狼狽えずにはいられない。
「うん。先生は龍とふたりでもいい?」
答えを待つ真っ直ぐな泉夏の瞳に思わず同意しそうになり-すんでの事で、秀王は素直な思いを零す。
「…ふたりはちょっと」
口にした後で、我に返る。
慌てて彼女を見れば、こちらをじっと直視していた。
たった今の発言の真意を、秀王は急いで弁明しにかかる。
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