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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「最初は泉夏も一緒じゃだめかな?」
控え目な秀王の提案に、泉夏は笑って頷いた。
「勿論いいよ。私も仲間に入れて欲しいもん」
「そう?」
「うん。私の知らないところで何か私の話になって、ふたりで笑われてもやだし」
「しないよ、そんな事」
「先生はともかく。龍は信用出来ない」
強く言い切る泉夏がおかしくて、秀王は吹き出した。
再びふたりの間を吹き抜ける、気紛れな春の風。
拾ってもらったものを二度も落とすわけにもいかず-必然的に、今度はペットボトルをとにかく死守する。
スカートも気にはなっていたが、この際仕方がない。
彼になら、既に見られるどころか-なので。
この際割り切る事とする。
条件反射で閉じられる、両眼。
激しく乱れ、流れる黒髪。
太腿を撫でては去ってゆく、感触。
風が落ち着くのを待ってる間(ま)に、不意に右手が持ってゆかれた。
強風に-ではない。
ようやく目を開(ひら)けば、自分の手は彼が掴まえていた。
控え目な秀王の提案に、泉夏は笑って頷いた。
「勿論いいよ。私も仲間に入れて欲しいもん」
「そう?」
「うん。私の知らないところで何か私の話になって、ふたりで笑われてもやだし」
「しないよ、そんな事」
「先生はともかく。龍は信用出来ない」
強く言い切る泉夏がおかしくて、秀王は吹き出した。
再びふたりの間を吹き抜ける、気紛れな春の風。
拾ってもらったものを二度も落とすわけにもいかず-必然的に、今度はペットボトルをとにかく死守する。
スカートも気にはなっていたが、この際仕方がない。
彼になら、既に見られるどころか-なので。
この際割り切る事とする。
条件反射で閉じられる、両眼。
激しく乱れ、流れる黒髪。
太腿を撫でては去ってゆく、感触。
風が落ち着くのを待ってる間(ま)に、不意に右手が持ってゆかれた。
強風に-ではない。
ようやく目を開(ひら)けば、自分の手は彼が掴まえていた。

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