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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「…せんせい?」
-どうしたの?
問うより早く、右手を引かれた。
彼に限りなく身体が寄った。
「やっと、掴まえた」
「え?」
「四年前のあの日、泉夏に巡り逢えた。なのに、あんなに近くで出逢っていながら、その時は掴まえる事もしなかった。あの時にしっかり掴まえて離さずにいたらって…ずっとずっと後悔してきた。こんなに遠回りする事も、泣かせる事も、離れ離れになる事もなかったのにって」
秀王の眉が顰(ひそ)められた。
苦々しい過去に、いつだって胸は塞がれそうになる。
「この場所にまた来られたら、今度こそ泉夏を探そうと思ってた。探し出して、絶対掴まえるって。必ず掴まえて今度こそ、どんな事があっても、もう二度と離さないって」
-そう、決めてた。
狂おしいまでの彼の感情が、泉夏の中に一気に流れ込む。
-どうしたの?
問うより早く、右手を引かれた。
彼に限りなく身体が寄った。
「やっと、掴まえた」
「え?」
「四年前のあの日、泉夏に巡り逢えた。なのに、あんなに近くで出逢っていながら、その時は掴まえる事もしなかった。あの時にしっかり掴まえて離さずにいたらって…ずっとずっと後悔してきた。こんなに遠回りする事も、泣かせる事も、離れ離れになる事もなかったのにって」
秀王の眉が顰(ひそ)められた。
苦々しい過去に、いつだって胸は塞がれそうになる。
「この場所にまた来られたら、今度こそ泉夏を探そうと思ってた。探し出して、絶対掴まえるって。必ず掴まえて今度こそ、どんな事があっても、もう二度と離さないって」
-そう、決めてた。
狂おしいまでの彼の感情が、泉夏の中に一気に流れ込む。

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