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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
『もので釣ろうだなんて決して思っていないけれど。せめて今日だけは、何かをあげたい。…泉夏が俺を彼氏だと認めてくれているのなら。彼氏として、この世で一番大好きな彼女に、何かを贈ってあげたい』
-迷惑でなければだけど。
付け足されたひとことに頬を染め、彼女は横を向いてしまった。
少し早いけれど、彼女の誕生日の記念になるものを。
付き合い始めて、初めての記念日だった。
そんな大事な日に、側にすらいられない-自責の念に駆られていた。
埋め合わせとして、何かに託したかったのも正直な気持ち。
自己満足に過ぎない-そうかもしれない。
でも。
ただ純粋に自分が贈った何かで、もしも喜んでくれたなら-こんなに嬉しい事はなかった。
そんな顔が見たかった。
そんな顔を見せて欲しかった。
これもまた、結局は『自分の為』に過ぎないだろうか-そう思いながら。
-迷惑でなければだけど。
付け足されたひとことに頬を染め、彼女は横を向いてしまった。
少し早いけれど、彼女の誕生日の記念になるものを。
付き合い始めて、初めての記念日だった。
そんな大事な日に、側にすらいられない-自責の念に駆られていた。
埋め合わせとして、何かに託したかったのも正直な気持ち。
自己満足に過ぎない-そうかもしれない。
でも。
ただ純粋に自分が贈った何かで、もしも喜んでくれたなら-こんなに嬉しい事はなかった。
そんな顔が見たかった。
そんな顔を見せて欲しかった。
これもまた、結局は『自分の為』に過ぎないだろうか-そう思いながら。

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