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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「…私、もの欲しそうに見てた?」
その日から事あるごとに繰り返される、質問。
「してない。俺があの時『泉夏に贈ってあげたい』…そう思ったんだ」
秀王は即座に否定した。
もの欲しそうになんて。
そんな顔、殆ど見た事がない。
いつだって、して。
もっと、して。
なんだってしてあげたい。
どんなものだって買ってあげたい。
そう思ってるのに。
もっと、甘えて-口には出せずにいる。
頼りがいがない-よほど、そう思われているのだろうか。
考え始めると、一気に地の果てまで落ちてしまいそうになる。
「高いのを買ってくれたから、申し訳なかったなって」
呟かれ。
落ち込む寸前の思考が、どうにか止まる。
その台詞も、もう何回も。
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