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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「ただ、受け取ってくれないだけ?それとも…受け取れないのが泉夏の答え?」
-もう既に確定されていたりする?
彼の声が次第に沈み。
自分がもの凄い悪者に思えてくる。
「…私の為に、沢山のお金を使ってしまわないで」
ようやくの泉夏の呟きも、秀王にはもどかしいだけかった。
沢山どころか、使ってるつもりも全くなかった。
『使いたくてもその機会が与えられない』-それが一番正しかった。
彼女の気持ちを汲んで、いつもはそれで良くても。
でも今は『いつも』の話をしているつもりはなくて。
「こう見えても、人並みには稼いでるつもりだ。普段何も欲しがらない彼女に、大切な時に何かを贈ってあげるくらい?」
「…私に、そんな価値がある?」
なおも的外れな事を言われ、秀王は乾いた笑いが込み上げる。
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