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桜の季節が巡っても
第3章 恋慕の秋
「伊東君。あの、兄はどこに?」
「食堂」
「食堂?」
「うん、今お昼ご飯に行ったら、偶然会って。それで泉夏…あ、いや、流川呼んで来てくれないかって、頼まれた」
「お兄ちゃ…え、兄が?伊東君の事知って…?」
泉夏の頭は混乱する。
「昨日会ったよね?横断歩道で」
大樹は不審そうに、泉夏を見た。
「…!」
泉夏は激しく脱力した。
あっちの『お兄ちゃん』ね-。



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