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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
『分かった。この間は本当に嫌な思いさせてごめん。…ただ、流川に他に好きな奴がいるのは受け入れるけど、だからってすぐに好きだって想いはなくせない。流川がその男と両想いにでもなったら流石に諦めるけど…暫くはまだ好きでいてもいいかな?』
好きな気持ちは自由。
簡単に諦められない。
その程度の思慕なら、とっくに捨ててしまっている。
こんなに、こんなに、ただ辛いだけの片恋なのだから。
想うだけならどうか許して欲しい。
誰よりもその切なさは理解出来る。
大樹の申し出は-断れなかった。
「クリスマスは…その相手とは過ごせなそうなの?」
大樹が躊躇いがちに訊いてきた。
「…100%、無理かな」
「そっか…」
「あ、ごめん。伊東君にこんな話-」
泉夏は申し訳なさそうに謝る。
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