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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
「いや-」
-だめではない。
答えるより先に、泉夏が破顔した。
「学生の質問に答えるのも仕事のうち…ですよね、有栖川先生?」
彼女が放った白い息が宙に舞い、やがて消える。
自分を求めるその真剣な双眸に、心は決まった。
秀王は羽織ったコートのポケットに、愛車の鍵をそっと、しまった。








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