この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
友達の隣りに腰を下ろす麻衣に、秀王は小さく息を吐いた。
内心、ほっとしている自分に気付く。
そんな彼とは対照的に、泉夏は陰った表情でそっと、睫を伏せた。
「先生、泉夏前期の試験凄く頑張ったじゃないですか。ご褒美一つくらいあげても罰は当たらないと思いますが?」
安心したのも束の間。
ちゃっかりふたりの会話を聞いていたらしい麻衣に、再び同じ話題を振られる。
「もしもそういう事を言うのなら、評価を高くつけた他の学生全員にも褒美をやらなければならなくなる。公平さを欠ける事は-」
萎えつつも、秀王は正論を述べる。
「先生はほんと、真面目で頭が固いなあ~」
麻衣は不満に口を尖らせた。
「こういう仕事は教え子全てに平等に接する必要がある。当然だ」
「心がけは大変ご立派だと思います。けど別に、プレゼントねだってるわけじゃないし」
ペットボトルに口をつけながら、麻衣は答える。
内心、ほっとしている自分に気付く。
そんな彼とは対照的に、泉夏は陰った表情でそっと、睫を伏せた。
「先生、泉夏前期の試験凄く頑張ったじゃないですか。ご褒美一つくらいあげても罰は当たらないと思いますが?」
安心したのも束の間。
ちゃっかりふたりの会話を聞いていたらしい麻衣に、再び同じ話題を振られる。
「もしもそういう事を言うのなら、評価を高くつけた他の学生全員にも褒美をやらなければならなくなる。公平さを欠ける事は-」
萎えつつも、秀王は正論を述べる。
「先生はほんと、真面目で頭が固いなあ~」
麻衣は不満に口を尖らせた。
「こういう仕事は教え子全てに平等に接する必要がある。当然だ」
「心がけは大変ご立派だと思います。けど別に、プレゼントねだってるわけじゃないし」
ペットボトルに口をつけながら、麻衣は答える。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


