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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
そのままずばりの、ストレートな問い。
まさか彼女の口から直接聞く日が来るだなんて。
驚愕と共に、爽快感も味わっていた。
やるじゃん、泉夏-。
麻衣はわくわくしながら、コートを羽織ろうとしたまま固まっている准教授を見た。
さあ、有栖川先生、どう答えるの-?
この上なく真摯な問い。
はぐらかした答えなんか全然求めてない。
事実が欲しいだけ。
「違う-」
泉夏の真剣な眼差しに、彼は真実を返す。
「そういう対象は…いない」
欺かず、本当の事を言ってくれた-それだけで十分。
これからもまだ好きでいられる。
もっと、好きになってしまった。
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